ウェブ制作会社のポテンシャルを最大限に引き出す方法

このお題を頂いた時、正直非常に難しく、ハードルの高いお題だと感じたのは言うまでもありません。なぜなら、一口に『ウェブ制作会社』と言っても千差万別。『正解』は制作会社が存在する数だけあると思ったからです。

本題に入る前に申し上げておきたい事は、このコラムはあくまで私の私見であり、御社がかかえる課題解決のきっかけ、ただ前を向くことの糸口になってくれたら嬉しいなと思います。

結論から言うと、ポテンシャルを最大限に引き出す方法は
『お互いをよく知り、話し合うこと = 対話』
だと私は考えます。

では「対話」をする為に何が必要なのでしょうか?

その説明をする前に、まずはウェブ制作会社とはどのような会社か定義してみたいと思います。

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株式会社モノトライブ 阿部氏

阿部悌久(あべよしひさ)
株式会社モノトライブ
代表/プロデューサー
ヒコ・水野ジュエリーカレッジで彫金、宝石学等を学び、宝石の商社に就職。
外商営業、ダイアモンドの買い付け、展示会責任者等を担当後退社し、株式会社メディアシークにてプランナーとして各キャリアの日産自動車公式サイトの企画立案等を担当。デザイン事務所にてプロデューサーとしてモード学園、SUNTORY、TEIJINをはじめとする200社以上の企業への企画提案を行い、2011年3月モノトライブを設立。

ウェブ制作会社の定義

そもそも『ウェブ制作会社』とはどんな会社なのか。
事実だけを伝えるならば、インターネットを活用して、企業・サービス等を宣伝、告知、公開するための「サイト」の制作に携わる会社のことです。

では、そのような会社の存在意義とは一体何でしょうか?

このコラムを見ている方は、様々な理由で何かの『課題』を抱えているはずです。
例えば

(1)問合せを増やしたい
(2)知名度を上げたい
(3)物を売りたい
(4)会社の情報を開示したい

などなど、数え上げたらきりがありません。

この課題を解決する方法として『ウェブ』を使った方法があり、その手段と方法を提案すること。それが、私の思うウェブ制作会社の存在意義です。

大前提として、全ての企業の目標である『売り上げを上げたい』を達成する為の手段をカタチにする会社ということです。これは『本質をカタチにし、伝えていくモノづくり』という私が自分の会社で掲げたコーポレートスローガンでも同じ考え方をしています。

では、本質とは一体何か。

1) 企業が抱える本質的大命題=売り上げを上げること
2) 企業が存在する上での本質的価値=その会社の考え方(または、経営者の考え方)

大きくはこの2つのポイントを理解し、企業と向き合いながら、カタチにしていく会社がウェブ制作会社であると考えています。

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状況の把握

前項では「ウェブ制作会社」を定義しました。

では、ウェブ制作会社に本質を理解してもらう為に必要なことは何でしょうか?

1) 自分を知る
2) ゴールを決める
3) 予算を決める

第一に『自分(自社)のことを良く知っておく』ことです。
これは、とても重要な要素です。例えば自分の事を理解している人は「何が得意なのか」を知っています。なので、自分のお客様に対して最大限のパフォーマンスで答える術を知っています。逆を返すと、自分の1番苦手な部分も『知っているはず』なのです。ただ、これは非常に難しい。私も苦労しているうちの1人です。

次に重要なポイントとして『ゴールの設定』です。
最初の段階では、具体的な施策や専門知識などは一切必要ありません。ただ、達成したい目標=ゴールだけはしっかりと考えておかなければなりません。これも、自分を知るというところに繋がっているので、1)をクリアにしていれば曖昧でも抽象的でも自ずと見えてくるものです。

最後に『予算』です。お金のことは後回し。ではダメなのです。
よく「まずは見積もりを」という言葉を耳にしますが、これは幾らくらいかかるか分からないという理由であることも理解しています。しかし、1)の自分を知ることができていれば、今自社でどのくらい「予算を使えるのか」分かるはずですし、考えておかなければなりません。前述した通り、企業の大命題は売り上げを上げることだからです。

見積もりを取ることは悪いことではありません。その見積もりを見て、自社にとってどう有用なものであるか、または無用なのであればなぜ無用なのか判断基準とすることが必要です。


このように自社と向き合い、状況を把握しておくことが重要です。
自社のことが分かっていれば明確な目標を決めることができ、自分たちの本質を他者に伝えることができるようになります。

一番求めているモノ

少し個人的な話をすると、私は絵が描けません。コーディングもできません。システム開発もできません。ですが、その大体の知識は持っていて『それを使ってどうするべきか考えること』ができます。
良く聞く言葉で言い換えるならば「プランナー」や「プロデューサー」といった仕事です。


そんな私が1番テンションが上るシチュエーションは、ズバリ『難しい課題』を提示された時です。
皆さんが持っている課題にはそれぞれ特徴があり、それぞれにいい所も悪い所もあります。そんな課題について、クライアントの意見や考え方などの『話』を聴いて、その課題が解決された未来を想像している時が何よりも楽しい。

この『課題』が前項で説明した「状況の把握」から生まれる未来を劇的に変えてくれるかもしれないほろ苦いスパイスなのです(ものすごく辛い事もあります)


そして、実はこの『話』というのがウェブ制作会社が『1番求めているモノ』なのです。
では、その『話』というお宝はどこにあるのでしょうか?

ただくだらない無駄話をしてもしょうがありません。
『本質について話す』
これが、ウェブ制作会社が求めるお宝です。

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もちろん、全ての会社や経営者の方がウェブについて知識のある方ではありません。
専門的な用語や知識は一切いりません。ご自分の言葉でご自分の想いを話して頂ければ、そこで必ずや良い『化学反応』を引き起こすことができると信じています。その場でスグに出てくる時もあれば、時間が少し必要な時もあるでしょう。
でも必ずやその『想い』は私たちウェブ制作会社に伝わり、化学反応を経てカタチになり、消費者に伝わっていくはずです。この本質を話合うというのは、なかなか骨の折れる作業ですが、そこがお互いに理解できれば、後は『手段』の話になります。

コーポレートサイトを創るのか、ECサイトを創るのか、ブランドサイトを創るのか。これが分かっていれば、それぞれが得意な会社に頼む事で課題解決の50%は達成できたと言っても過言ではないと思います。

ただし、その『手段』を特定するのが1番難しいとも言えます。ここからはクライアントとウェブ制作会社のコミュニケーションの積み重ねが何よりも重要になることは間違いありません。

それぞれの会社が持つポテンシャルはこうして引き出される

ここまで話をしてきたことは、何度も言いますがあくまで私の私見です。
というか、私自身がお客様と接する中で常に想い、考えてきた実体験と言っても良いと思います。

私はとにかく『話をする』事が好きなのです。最初は少し抵抗がある方もいるかもしれません。でも、話をすることで少しずつでもお互いの心の壁が無くなっていき、本質を話し合っている時に、私の頭には無数の可能性が広がり、幾つものアイディアが次から次へと溢れてくるのです。これがまさに私の、私たちの『ポテンシャルが最大限に引き出されている瞬間』です。

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全てのウェブ制作会社に当てはまるものではないかもしれません。しかし、対話が生み出す「可能性」は大きいと言えるでしょう。

今回私が伝えたかったことを整理すると『自社の状況を把握し、ウェブ制作会社に自社の本質を伝え、抱えている課題について対話を重ねること事によって、その制作会社のポテンシャルを引き出すきっかけを創ること事ができる』という事です。

いろいろな意見をお持ちの方がいると思いますが、まずは試しに、貴社の抱える課題をウェブ制作会社にぶつけ、じっくり話をしてみてください。

「そんな時間を使っていられない」そう思う方も少なくないと思いますが、きっと将来へのとても大事な投資になると思います。

どんな考えでも構いません。専門用語は何一ついりません。まずは考えていることを話してください。
分からない、頭の中でモヤモヤしている事を少しずつ紐解きカタチにしていくのが我々の仕事です。
少なくとも私はそう考えてモノづくりをしています。

「会社」と話すのではなく「人」と話す

結局はどんな仕事でもそうですが、全ては「人」に尽きます。どんなにキレイな言葉や資料で説明しても、想いや気持ちが伝わらなければ意味がありません。貴方が話をする相手は「会社」ではなく、「人」なのだということを忘れないでください。

そう考えると少し、気持ちが楽になるのではないでしょうか?お互い1人の人間なのですから。

最後に

私や私の会社のポテンシャルは未知数で、今までもこれからも出逢う人々から刺激をもらい、そのポテンシャルを引き出してもらっているのだと日々感じます。だからこそ、クライアントに対してもパートナーに対しても感謝の言葉しかありません。

ただし、そのポテンシャルを発揮できるか、もしくはクライアント企業のポテンシャルを引き出すことができるのかは、お互いの対話、話し方、聴き方次第でいかようにも変わっていくものだと思います。

逆に言えば、我々制作会社は常にそのポテンシャルの礎となる知識や経験、情報を持ち合わせている必要があるということ。クライアントからどんな課題が来ようともその課題を楽しむ気概を持たなければならない。

モノトライブはウェブ制作をメインにしながらも、そうやってクライアントの課題を解決する為のモノづくり、クリエイティブに関わることはどんなことにでも挑戦してきました。例えば、ロゴデザイン、グラフィックデザイン、キャラクター、システム開発、変わった所では、看板や車の外装デザインなど。これからもその姿勢は変わりません。

その全てがクライアントの課題解決の手段なのです。

最後にウェブ制作会社に発注を考えている企業の方々にお願いがあります。

一緒になって考えること、一緒になって悩むことをあきらめないでください。皆さんが思っている以上に我々制作会社はクライアントの『声』を欲しています。その声は想いとなって我々に伝わり、カタチになって消費者に届き、やがて売り上げへと繋がっていくのです。

その『可能性』を引き出す糸口は、貴方の『声』にあるのです。

おわり